新築住宅だから雨漏りは心配ない、そう思っている方は多いのではないでしょうか?実は、新築でも雨漏りは発生することがあり、特に太陽光発電の設置が原因になるのではないかという不安の声も聞かれます。この記事では、実際にどの程度の雨漏りが発生しているのか、太陽光発電の設置によるリスクがどの程度あるのかについて解説します。
新築住宅の雨漏り発生率

日本住宅保証検査機構(JIO)の調査によると、2008年12月から2020年6月までの期間に、新築住宅における瑕疵(かし)の発生率は約0.6%と報告されています。全体の件数では、100万件中約6000件の瑕疵が確認され、そのうちの90%以上が雨漏りに関するトラブルでした。
雨漏りの多くは「窓回り」や「屋根と壁の取り合い部分」で発生しており、防水施工の不備や不適切な設置が原因となることが多いです。
太陽光発電設置による雨漏りリスク
太陽光発電の設置が普及しており、東京都では2022年には住宅への設置が義務化が決定しました。住宅での太陽光発電は屋根に設置することがほとんどです。当然雨漏りの可能性が上がるものと考えられますが、JIOの調査では、12年間で太陽光発電の設置が原因とされた雨漏りは、約100万件中わずか2件しか報告されていません。この数字からも、太陽光発電設置による雨漏りリスクは非常に低いことがわかります。
•具体的な事例
1件はスレート瓦でのシーリング不良、もう1件はアスファルトシングルでの防水不良が原因でした。いずれも施工不備によるものであり、適切な施工を行えばリスクはさらに減少するでしょう。
雨漏りを防ぐためのポイント
太陽光発電の設置で雨漏りを防ぐには、以下のポイントに注意することが重要です。
•屋根の種類と施工方法の選定
ガルバリウム鋼板など、屋根に穴を開けずに設置できる素材を選ぶことや、支持瓦などの適切な設置が効果的です。
•防水施工の徹底
窓回りや屋根と壁の取り合い部分などの防水処理をしっかり行い、防水テープや透湿防水シートのシワや破れを防ぐことが重要です。
まとめ
新築住宅でも雨漏りのリスクはゼロではなく、施工不備や設備の設置方法によってはトラブルが発生することがあります。特に太陽光発電の設置については、リスクが低いものの、施工品質の確保が重要です。雨漏りの発生を防ぐためには、専門家の意見を参考にし、適切な施工を行うことが大切です。もし雨漏りが発生した場合には、早急に専門の雨漏り調査会社に相談し、根本的な原因を特定することをお勧めします。